ナフサ不足の真相:流通の目詰まりか、構造的なリスクか

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こんにちは、Kei750です。

このブログでは退職をきっかけに、サイドFIREを目指すことを決めたおっさんが、
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台風6号が猛威をふるっています。
和歌山を直撃していったようで、川も増水して、最上級の緊急安全確保が出ているところもあるようです。

これから関東方面に進んでいくようなので、通勤等で仕方がなく外出する方は気をつけてください。

では、本日の話題にうつりたいと思います。

原油不足の次にやってきた「ナフサ問題」

中東情勢の緊迫化による原油供給の混乱が続く中、新たな問題が製造業の足元に忍び寄っています。

それが「ナフサ不足」です。

ナフサとは原油を精製して得られる石油製品の一種で、プラスチックや合成ゴムの原料となる基礎化学品(エチレン・プロピレンなど)を作るための出発点です。

燃料費の高騰は生活者にも直接感じられますが、ナフサ不足の影響はもう少し時間差をおいて、さまざまな製品の値上がりや納期遅延として社会に広がってくる性質を持っています。

実際、ホームセンターに買い物に行くと、ゴミ袋が品切れになっていたり、DIY用の接着剤が売り切れになっています。

ゴミ袋などが無くなると、日常生活に支障をきたしてしまいますね。
かと言って、自分だけはと買い占めたりしないでくださいね。
転売などもってのほかです。

帝国データバンクの調査によると、2026年4月の「物価高倒産」は108件と集計開始以来の最多を更新しており、その要因の筆頭は原材料高です。

「ナフサ不足による倒産」はまだ確認されていないものの、いわゆる「オイルショック倒産」の発生を懸念する声も出始めています。

ナフサ不足の背景:中東依存という構造的なリスク

日本のナフサ供給は、輸入と国内精製の組み合わせで成り立っています。

輸入ナフサについては2025年のデータで中東3カ国(UAE・クウェート・カタール)だけで約68%を占め、国産ナフサを精製するための原油を含めれば、ホルムズ海峡への依存度は約93%に達します。

つまり、海峡の封鎖や情勢の緊迫化は、燃料だけでなくプラスチック・ゴム・電子部品に至る幅広い産業の根幹を揺さぶります。

実際、3月の中東からアジア向けナフサ供給量は前月比で約85%減少し、北東アジアのナフサクラッカー稼働率は2月の約80%から3月には60%へと急落しました。
韓国のLG Chemが麗水のクラッカーを停止したのも、この供給難を直接の背景としています。

一方、中国はナフサ以外にも石炭・メタノール・エタンなどを原料として活用しており、相対的にリスクが分散されています。

日本・韓国・台湾といった北東アジア諸国が特に脆弱な立場に置かれているという現実があります。

「不足」か「目詰まり」か:現場で何が起きているのか

ここで重要な論点があります。

ナフサは本当に「絶対的に足りない」のか、それとも流通段階での「目詰まり」が問題なのか、という点です。

高市首相や赤沢経済産業大臣は「国全体としては量的に足りている。ただ、供給の偏りや流通の目詰まりが生じている」と述べています。

自民党の萩生田幹事長代行も目詰まりの原因業者を特定したとし、「在庫があるのに不安から手元に置いている」と説明しました。

ポテトチップの包装が白黒になる件や、パッケージの色を減らす、簡易包装にして使用量を減らすなど、苦肉の策を取っている企業もあるものの、「ナフサ自体は店には売っている」という証言もあります。

つまり現状は「絶対量の不足」というより「流通の歪み」と「価格高騰」の側面が大きいようです。

ただし、例年比で供給能力が約8割程度にとどまる状況であるため、需要が正常化すれば在庫は漸減していく見通しであり、構造問題が解消されているわけではありません。

気になるのは昨年の米騒動の時のように、一時的に供給を絞った結果その後に余りまくって結局供給側が困ってしまうといったような減少が起こらないか?といった点です。

使う方も作る方も欲張らずに、そこそこを目指したいものです。

製造業・生活者への波及:「見えない素材」が止まるとき

ところで、ナフサ不足が深刻化した場合の影響は、石油化学メーカーにとどまりません。

エチレン系からはポリエチレン(PE)や各種包装材が、プロピレン系からはポリプロピレン(PP)が自動車部品や家電製品に、そしてブタジエンからはSBR・BRなどの合成ゴムが、シール材・ホース・ベルト・パッキンといった産業部品に使われています。

特に注意が必要なのは、単価は低くても「代替しにくい小物部品」です。Oリング1つが欠品するだけで、装置全体の出荷が止まることがあります。

工場では小さな部品一つが死活問題ですから。

また、代替調達先として米国産・マレーシア産の「軽質ナフサ」に切り替えると、ブタジエンや芳香族(ベンゼン・トルエン等)の副生量が減るという「製品バランスの歪み」が生じ、別の製品群で新たな供給不足を招くリスクもあるようです。

さらに中東からは川下製品(汎用樹脂など)の直接輸入も行われており、国内クラッカー減産と輸入品減少という二重の影響を受ける可能性もあります。

政府の短期対応と、長期投資家として見ておくべきこと

日本政府は、中東以外(米国・中南米・東南アジア・アフリカ等)からのナフサ輸入を従来の約90万KL/月へと倍増させる方針で、川中・川下の製品在庫(約2か月分相当)も活用することで当面の供給を維持する計画です。

また鈴木農林水産大臣がマレーシアを訪問し安定供給を確認するなど、外交的なアプローチも進んでいます。

ただし、供給能力は例年の8割程度にとどまる見通しであり、対策を講じなければ在庫は徐々に目減りしていきます。

長期の分散投資を軸とするインデックス投資家の視点からは、この問題を「短期の価格変動材料」として過剰反応する必要はありません。

どこかで致命的な問題が発生した場合、何らかの代替方法や代替品などが色々と出てきます。
完全には解決してはいないですが、レアメタルの件も少しづつ特定の国への依存が減っています。

中東の原油に偏って依存しているというのも、リスクとコスト天秤にかけて、今まではこの方法が一番良かっただけのことで、現状のリスクが上回ってくれば別の方法が浮上してくるのではないでしょうか。

つまり重要なのは、日本の製造業・化学産業のサプライチェーンに構造的リスクが存在することを理解した上で、広く分散されたポートフォリオで影響を緩和し、情勢を冷静に注視することです。

どこかが凹めばどこかが上向いてくる。
分散投資の基本ですね。

ナフサ問題に関しても完全解消するまでには、調達先の多角化という中長期の構造改革が不可欠でが、どこかでバランスが取られてくるのだと思います。

それでは今日のところはこのあたりで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ではまた。

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