家族信託を実際に契約してみた。現金と実家不動産を守るまでの4ヶ月

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こんにちは、Kei750です。

このブログでは退職をきっかけに、サイドFIREを目指すことを決めたおっさんが、
悪戦苦闘しながら投資や副業に取り組む過程や、それらに関連する書籍やガジェットを紹介、発信しています。
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台風の影響はなかったでしょうか?

関西では和歌山方面で大きな被害があったようですが、神奈川では公園に浸水した映像が流れていました。(洪水時には河川水を一時的に溜めて下流を守る設計担っているそうです)

被害に会われた方には心からお見舞い申し上げます。

台風一過でスッキリするかと思えば、関西ぐらいまでは梅雨入りの発表がされるなど、梅雨明けまでジメジメ感が続きそうです。

さて、では本日の話題です。

「うちは大丈夫」と思っているうちが一番危ない

少し個人的な話ですが、多くの方が不安に思っているかもしれない話をさせてください。

先日、妻の母親(義母)のために「家族信託」の契約を結びました。
義母は夫(義父)と死別しており、子供は妻ひとり。
2年ほど前に義母の友人の運転する車に同乗中交通事故に遭い、それ以来車椅子での生活を送っています。
現在は有料老人ホームに入居中です。

入院・施設入居が長引く中で軽度の認知症が疑われる状態になりました。
実際に診断を受けたわけではありませんが、疑いはかなり濃厚です。

「これは早めに動かなければ」と感じたのが、家族信託を検討したきっかけです。

元気なうちはなかなか切り出しにくい話ではあります。

でも、認知症が進んで判断能力がないと認定されてしまうと、本人名義の口座からお金を引き出すことも、不動産を売却することも、正当な理由があっても法的にできなくなります。

「まさか自分の家族がそんな状況に」と思っていると、気づいたときには手遅れということになりかねません。

家族信託とは何か。成年後見制度との違い

簡単に説明しておくと、家族信託とは、財産を持つ人(委託者・受益者)が、信頼できる家族(受託者)に財産の管理・処分を任せる仕組みです。
今回の場合は、義母が「委託者兼受益者」、妻が「受託者」という形になります。

今回信託に入れた財産は、現金数百万と、義母が元々暮らしていた2階建て一軒家です。
この不動産の売却と、介護費用への補助が主な目的です。

義母はもともと公務員ということもあってか、かなりしっかりとした人で、固定資産税や公共料金、その他の定期的な費用はずべて年金や個人資産の口座から引き落としが出来るようにしてありました。
また、今回の介護施設への入居も本人の意思で行い、その支払も銀行引き落としとなっています。

ですから、万一認知症と診断されてとしても、急に支払いが停止されて困ると言うことにはなりにくいと思われます。

同じような制度として「成年後見制度」がありますが、両者の違いは大きく、私たちは家族信託を選びました。

成年後見制度は家庭裁判所の関与が必要で、後見人の裁量が限られ、特に不動産の処分などには制限が多いです。
(雨漏りしたからすぐに修理をしたいとなっても、すぐにお金を引き出したりすることが困難など)

一方、家族信託は受託者の裁量が広く、住まなくなった実家の売却や、施設費用への柔軟な充当が可能です。
事前に家族信託に自宅不動産を含めておけば、修理、修繕、草刈りや植木の手入れなどの費用も捻出できますし、必要なら売却も可能になります。

もちろん受託者には義務も伴います。
基本無償での対応が求められますし、領収書や見積もりの保管、口座の金額の管理などを定期的に確認されることになります。

項目家族信託成年後見制度(法定後見)
制度開始の条件本人に契約能力が必要本人に契約能力不要
完全認知症後原則不可可能
主な目的柔軟な財産管理・資産承継本人保護
誰が管理者になるか家族が決める(娘など)家裁が決定(家族とは限らない)
自宅売却かなりしやすい家裁許可が必要になる場合あり
預金引出し柔軟制限あり
相続対策一定程度可能基本ほぼ不可
生前贈与設計次第原則難しい
毎月の支払い柔軟本人利益重視
家庭裁判所の関与基本なし常時あり
一度開始後契約終了条件次第原則やめられない
透明性契約設計による高い(監督あり)

仲介会社を通じた手続きの流れ

手続きは、妻の勤める県が紹介している仲介会社を通じて進めました。
県からの紹介ということや、職員割引のような制度があったので、それほど迷わずにこの会社に決めました。

最初のコンサルティング費用として10万円程度、その後は毎月の監督費用として3,000円程度(信託財産の額によって変動)がかかります。
電話相談にも対応しており、何かと心強かったです

この仲介会社を窓口に、弁護士・公証人・司法書士それぞれへの取次をまとめて行ってもらいました。

【弁護士との面談】
ウェブ会議で実施。
義母本人がまだ判断能力を持っていることを確認するための面談で、30分程度の質問に答えてもらいます。
費用は8万円程度。
認知症の疑いがある場合、この関門をクリアできないと手続きが進められないため、できるだけ早く動くことが肝心です。

【公証人との面談】
弁護士面談からここまで、約2.5ヶ月かかりました。
通常は公証役場へ出向くのが原則ですが、車椅子での移動が困難なため、公証人に有料老人ホームまで出張してもらいました(出張旅費込みで8万円程度)。

法的な書類を読み上げて確認するのが主な目的ですが、書類の文言は非常に難解で、私たち付添人にもスッと理解できない内容が多くありました。

認知症の疑いが濃厚な義母には、少々疲れるな面でもあったと正直思います。
公証人の出張は平日のみの対応で、スケジュール調整がこの手続き全体で最も時間のかかった工程です。

【司法書士との確認】
公証人面談が終わった直後、仲介会社経由で「司法書士からも義母への確認が必要」と連絡が入りました。

電話での確認ということでしたが、義母は携帯を持っておらず、受託者である妻の立会いが必要で、平日対応のみとのこと。

妻は再度休暇を取って対応することになり、「先に段取りしておいてほしかった」と相当ご立腹でした。この点は改善の余地があると感じました。

【信託口座の開設】
手続きを経てオリックス銀行に信託口座を開設し、現金を移して運用開始となりました。

なお、信託口座を開設できる金融機関は限られており、今回は選択肢がオリックス銀行のみという状況でした。

全工程で4ヶ月。感じた4つの注意点

仲介会社への最初の相談から信託口座の開設・運用開始まで、4ヶ月ほどかかりました。
結構手間と労力がかかる作業でした。
金銭面でも、初期費用として結構かかりました。(total 40万円程度)

公証人の出張日程待ちが大きな要因でしたが、それ以外にも時間がかかる要素があります。
実際に経験して感じた注意点を4つ挙げておきます。

1.判断能力があるうちに動くこと
認知症の疑いがあっても診断が出ていない段階なら間に合う可能性があります。
ただし時間的な余裕はありません。
「元気なうちに話しにくい」という気持ちはよくわかりますが、それが最大のリスクです。
完全に認知症と判断される状態ですと、成年後見人制度での対応が必要となり、更に時間と手間がかかることになります。

2.公証人の日程は最優先で押さえること
出張対応は特に平日のみで、スケジュールが詰まっていることが多いです。
弁護士面談が終わったら、すぐ公証人の予定を確認することをお勧めします。

3.複数の手続き機関が関わること
弁護士・公証人・司法書士はそれぞれ独立した機関です。
今回のように、終わったと思ったら次の連絡が来る、ということもあります。
段取りの全体像を仲介会社任せにせず、自分でも把握しておくことが大切です。

4.受託者の負担は思ったより大きい
妻は働きながら、複数回にわたって平日に有給休暇を使って対応しました。
(受託者は、基本的に実子が対応することがほとんどです。子の配偶者は、万一、子に何かあった場合の二次受託者という形で契約書に記載されます。)
受託者になる家族の時間的・精神的な負担についても、事前によく話し合っておくことをお勧めします。

重い腰を上げるのは今かもしれない

家族信託の手続きは、確かに面倒です。
複数の専門家が関わり、費用もそれなりにかかります。
兄弟が複数いれば、事前の話し合いも必要になり、更に時間がかかるでしょう。

ただ、もし口座が凍結されてしまったら——。
施設の費用も払えない、実家を売ることもできない、という事態は、親にとっても子にとっても不幸しか生みません。
「備えは早いほどいい」のです。

今回、私たちが動けたのは義母の判断能力がギリギリ残っていたからです。
現金と不動産が宙に浮いたまま凍結されていたら、と考えると背筋が寒くなります。

今回はFIREや投資とは違ったお話をさせていただきましたが、資産の管理という面と、自身の備忘録と行った面を考えて記事に残しておくことにしました。

皆さんも、親御さんの状況を今一度確認してみてください。
また、親だけではなく、自分のこととしても将来どうするかを考えてみておく必要もあります。
まだ早いと思っていても、動き始めるタイミングは「今」かもしれません。

それでは今日のところはこのあたりで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
ではまた。

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